「人が好き」
と素直に言える人がうらやましい。
はっきり言って、私は人間嫌いである(笑)。世界が自分一人で構成されているとすれば、どれだけ楽であることか(笑)。他人を理解するのは大変なことだし、物理学的な現象と同じように、理解することによって人間関係は変化してしまうので、基本的には他人を理解することは不可能だし。
他人に対する不寛容を表現している音を体質的に愛している。例えば、ザ・フラジャイルとか。他人との関係を明確に拒絶してしまうようなインダストリアル/ノイズ的な音は非常に好ましい。
映像でも「分かってくれよ」的な説明がくどくど続くようなものは耐えられない。ストーリーなんてなくても気にしない。例えば、回路 デラックス版 [DVD]の中のいきなり給水塔から女性が飛び降りるシーン。その唐突さは本当に美しいと思うし、見ていて癒される(笑)。
コミュニケーションにより多くのことが生まれていくし消費されていうことは十分に理解しているのだが、しかし、どうもコミュニケーションはフラストレーションがたまる。
世界の中の自分、自分の世界、自分だけが世界であればよいのに……。
ただ誤解のないように言っておくと、私は人間という顔のない物体は嫌いだが、「友人」のことは大好きだったりする(笑)。もうこれ以上、大事にする「友人」は増えなさそうだ。
私の場合、「人間」と「友人」を分け隔てる壁は非常に厚い。