BearLog PART2

暇な中年の独り言です

 うれしいやら淋しいやら……

 以前、マウンテンバイクによく乗っていた。浅間山の麓のダブトラとか碓氷峠のシングルトラックダウンヒルとか、けっこうよくトレイルを走っていたように思う。
 当時一番よく乗っていたのはCannondaleのSV500だったのだが、このバイク、職場の同僚への売却が決まった。
 ここ最近、マウンテンバイクでトレイルに入ることがほとんどなくなっていること、以前のエントリで書いたように、Colnagoの新車を購入してしまったことから置き場所の問題等々があり、職場の同僚も快く購入してくれることになったので、お売りする次第なんである。
 このバイク、ある意味、私の自転車道楽における師匠でもある。自転車の楽しみを最初に教えてくれたのもこのバイクだからだ。
 落車転倒の痛みや恐怖を教えてくれたのもこのバイクだし、バイクのスピード感の快楽と恐怖、ダウンヒルで段差を乗り越えたときのチェーンの叩くような音、鳥の鳴き声、上り坂、火山灰地でトルクがかからず滑る……そういう身体感覚が一つ一つ蘇る。今はロード乗りにほぼ転向してしまったとはいえ、このバイクは本当に師匠だった。
 今ではほとんど乗らなくなってしまったとはいえ、いざ売却が決まってみると、このバイクにまたがっていたときの思い出が色々と思い出されてきて、ちょっと感傷的になってしまう(笑) 師匠というだけではない。こいつにまたがって色々なものを見たり聞いたり感じたりした。碓氷峠のシングルトラックで大転倒したこと、浅間のダブトラで、茸狩りする地元の人々の鍋の匂い、林に見え隠れするカモシカの影……。ううむ、懐かしいと言えば懐かしい。
 モノはあくまでも無機物であり意志など持たないとは思うのだが、でも持ち主の何らかの痕跡は物理的な部分だけでなく、色々な残留思念?みたいな形で残っているような気もする。そういう残留思念が後のオーナーに悪さをしないことを祈るばかりだ(苦笑)。
 心からこのCannondaleにはお礼を言いたい。ありがとう! 次のオーナーの元でも頑張ってくれよ。何かあったら面倒見に行くから。