BearLog PART2

暇な中年の独り言です

 千住博展

 自転車の練習を終了してから、日本橋高島屋に出て、「千住博展」を見る。
 「ハルカナルアオイヒカリ」と題されたこの展覧会は、どうやら蛍光塗料を使って、世界的にも評価の高い「Waterfall」シリーズを描いているのだ。出品されたいた作品はどれも非常に大きいもので、瀧を描いた蛍光塗料を目立たせるためなのだろう、会場内はかなり暗くしており、その暗闇の中でほのかに「Waterfall」が輝いているといった塩梅で、なかなか幻想的できれいではある。個人的には、千住博の「Waterfall」は非常に好きな作品群なので、ふむふむというかんじなのだが……。でも、さすがにここまでくると少々食傷気味である。白地に黒く、ドカンと描かれたもの、薄蒼いバックに白くドカンと描かれたもの、こういったものは、抽象と具象の際のところ、まさに、かろうじて具象たらんという意思とその具象を突き破り抽象へと飛び去ってしまいそうな遠心力が危ういバランスで均衡している、その独特の壊れそうな儚いバランスこそが魅力だったわけで、成熟した一つの方法論として、アアデモナイ、コウデモナイとイジクリ回していると、そもそもその危うい均衡に立脚した「Waterfall」シリーズの存在意味が揺らいでしまうような、ちょっと寂しい思いをしたのも事実だ。
 なかなか評価が難しいところだ。
 千住博については、次なる新しい作品製作のメソドロジーを早々に生み出して欲しいと切に期待している。