隈さんのファンなので、今まで読んでいなかったものが文庫になったらしいので買ってみた。
- 作者: 隈研吾
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/05/11
- メディア: 文庫
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オブジェクトとは、世界から「切断」されたものという意味で使われている。まあ、まだ読了していないのであるが、「意識」と「物質」をつなぐものが「建築」なのだということを、隈さんは語っている。
自分に引きなおして考えると、それは自転車だろうと思った。自転車は、自らの意識と筋肉の運動が、「自転車」という媒介項を通して、一体化していく遊びだと、私は思っている。クルマよりも自転車は道路に対して開かれているし、バイク以上に身体感覚を直撃してくる。
よって、自転車に乗るということは世界に接続するということであり、それはまさに「哲学」することじゃなかろうかと思うわけである。
ジョギングになると、意識はもっと自らの内面に向かってしまうので、世界との接続とか、意識と物質の媒介というところには落ちないような気がする。人工的(=物質的)にエンハンスされた自転車という機械を使って、人だけでは出せない速度を獲得し、道路に開かれた、まさにむき出しの躯体に人がまたがることによって、あらゆる周囲の情報は人間の五感に飛び込んでくるわけで。
だから自転車は面白いんだ〜と、隈さんの建築の話を読みながら思う、不謹慎な私なのであった(苦笑