BearLog PART2

暇な中年の独り言です

 怖いぞ、東京

 今日はたいへんに怖い出来事に遭遇した。

 通勤するとき、事故だか病人が出たか何かで京王線が遅延しており、私が乗り込んだ車両もご多分にもれず非常に混んでいた。
 仕方がないので満員電車に乗った。
 鞄を網棚の上に上げようとしたのだが、持ち上げたその瞬間にタイミングのよいことに、ドンと背中を押され、鞄を座席に座っている人の胸のあたりに放り投げるような格好になってしまった。勿論、わざとやったわけではない。意図せずしてそうなってしまったのだ。まあ自分で言うのも何だが、通勤と帰宅時に読む本(今は矢作俊彦だ)と電卓と手帳とiPodくらいしか入っていない鞄で、勿論そんなに重いものではない。不可抗力だとはいえ、迷惑をかけたのも事実。
「すみません」
 と、きちんと謝ったつもりである。まあ、ちゃんと謝ったのだ。
 で、何事もなく、被害者である若いニイチャンの前に立った。そうしたら、

 私はそのニイチャンに腹をグーで殴られたのだ(苦笑)

 そのニイチャンがへなぽこだったのか(笑)、手を抜いてくれたのか分からないが、まあ猫パンチみたいなもので、全然痛くなかったし、後で見てみても痣にも何にもなってなかったので、いいのだが、まあ不気味だった。
 ケンカっぱやい私は、一瞬ドツいたろうかとも思ったが、もし、私が彼をドツいたら、事実関係がどうであっても、万が一メディアの知れるところになったりしたら、「東証一部上場○○社の副社長、社内暴力」と小さく(笑)取り上げられ、それなりに関係各位に迷惑をかけるだろうことは、さすがに40歳になった私の頭でも分かったので、我慢はしたが、ずっとにらみつけてみた。
 ニイチャンはどういうわけか私と目線を交わさない。怒鳴られる方がまだ人間としてのコミュニケーションが成り立つような気がした。彼は新宿で降りていったが、あれがグーではなくて、ナイフだったら……と思うと後から怖くなった。
 髪の毛をジェルが何かで固め、つんつんにして、汚いジーンズをはいた小太りのお兄様、今度京王線であったら、挨拶のひとつもして下さい。あなたの素晴らしいパンチをお腹に一発喰らいましたが、私は元気です(笑)

 それはそうと、コミュニケーションが成立しない人間に暴力をふるわれるということは、山の中でクマに出会ったり、町中でカラスに襲われるのと大してレベルは変わらない。もはや、東京には人間の顔をした動物がた〜くさん棲息しているのかもしれない。

 皆様もお気をつけ下さい。あ〜、早く東京から脱出したい。