BearLog PART2

暇な中年の独り言です

 カンボジア旅行記 Day2

  • 久しぶりに英語で困る

 朝はのんびり過ごす。例のメインダイニングの「Meric」で朝食をとる。妻はベーグルを食べ、私は、yellow noodleを食す。このyellow noodleなんだが、鶏肉だと思われるあっさりしたダシ がきいていて、なかなか美味であった。
 午後からのアクティビティをどうするか、フロントに相談しようとして電話をかけたのだが、そもそも12月が1月は稼ぎ時のハイシーズンらしく、タクシーを抑えるのはできるが、ガイドを抑えるのは難しいとのこと。特に日本語ができるガイドは難しい、と言われた。
 と書くと、しごく必要な会話が順調に進んだように見えるのだが、そもそもホテルの従業員については、英語のレベルが人によってかなりまちまちで、私の耳の問題もあるのだと思うが、最初に部屋から内線でかけたとき、電話口の向こうにいる従業員の人の英語がまったくもって、ちんぷんかんぷんだったのには困った。そもそも、私はインド系の人の英語とかについては、どうも聞き取れない傾向の人なので、仕方ないといえば仕方ないのだが、海外に出て、旅行レベルで英語に困ったというのは、久しぶりのことだった。
 仕方ないので、HIS(そもそも今回の飛行機と宿の手配も妻がHISでしてくれたのだった)に電話をしたら、日本人の人が出てきてくれたので、今日の午後は団体ツアーでアンコールワット観光をし、明日、明後日の車とガイドを雇って、自由に見るということにした。
 この午前中の経験を生かして、英語で話しかけたときに、にこっと笑ってくれる人であれば、それは英語ができる人、「うん?」という顔をする人はあまり英語ができない人、というかんじで見分けをつけてから、話しかけるようにした(苦笑) 後でも述べることになるのだが、シェムリアップについて言えば、町中は外資のホテルの建築ラッシュで、多分数年もしたら、巨大リゾート系の観光地になってしまいそうな気配が濃厚だから、英語なんて簡単に通じるようになってしまうのだろう。

  • 周辺散策

 全般的な予定を決めてから、ツアーのピックアップがホテルのロビーに2時だったので、ホテルの周囲を散策した。ホテルじたいは、シェリムアップの中心地からほど近いところに立地しており、市内観光をするには便利なところにある。この点でも我々が泊まった「Hotel De La Pax」はとてもお奨めできる。
 外に出ると暑い、の一言。12月、1月は乾期にあたるので雨は降らない。だから、とにかく乾燥している。おまけに陽射しが強烈だ。乾燥していて、舗装されていない道路もかなりあることから、街全体が埃っぽい。地元の人なんかだと、マスクをしてバイクに乗っている人もいるくらいだ。髪の毛なんかすぐに手櫛が通らなくなる。靴は赤い砂で直ぐに汚れる。
 ただ乾燥しているせいで、日影に入るとひんやりとする。陽射しさえ防げれば、日本の夏とは違って案外快適に過ごせるような気がした。とはいえ、暑いのは暑いから、大変だ。
 町中は活気に溢れ、歩いていて楽しい。また、観光で街の経済を活性化させようと気を配っているせいなのか、盛り場のあちらこちらに警官の姿が見える。治安については、到着する前は随分と気にしてはいたのだが、最低限の注意をしていれば大丈夫そう、というのが私の印象だ。夜も10時くらいまでなら、うろうろしても大丈夫そう、な気がした。ま、私のいい加減な印象を元にして言うのだから、当てにはならない。ただ、私たち夫婦は、幸いなことに怖い目には一度もあってはいないのも事実。そのあたりは各人にご判断をお任せする。

  • 禁断のブランコチェアでの昼食

 散策から戻ってきて、昼食。昨日の晩に引き続き、ホテルのメインダイニング「Meric」にて。この「Meric」のオープンテラスには、何と、ブランコチェアがあるのだ。ブランコチェアで食事を取りたい、という一心で(笑)、このホテルに宿泊することにしたので、ここに座らない手はないのだ。
 ブランコチェアは全部で三つ。相撲の枡席をちょうど倍にしたくらいの大きさだろう。大人四人がかけても多分大丈夫だとは思うが、せっかくなんだから、カップルで一つを占拠するのがお約束だろう。従業員に「ブランコチェアは空いているか?」と聞いて、ヘンな顔をされたが、そうそう、ブランコチェアでは通じないよな、「スウィングチェア」と慌てて言い直したら、ちょうど空いていたらしく、にっこり笑って通してくれた。昼食では、クメール料理のセットを食べたのだが、昨晩に続き、料理も非常に美味しかった。
 それとこのブランコチェアである。ホテルの中庭を風が吹き抜ける度にゆるゆると揺れる。揺れると言っても、食事をするのが大変になるくらい揺れるわけではない。ちょうどいいかんじにゆるゆると揺れる、のである。中庭を吹き抜ける風、そして中庭には水盤もはっており、そういったもの全ての相乗効果で、エアコンもないくせに、涼しい。本当に快感である。私たちは、今日の昼食を入れて、計三回ほどこのブランコチェアで食事やお茶を飲んだのだが、とにかく、これは体験しない手はないと思う。至福の時間である。

 そうこうするうちにマイクロバスに連れられて、アンコールワットへ。ホテルからアンコールワットまで車で15分くらい。途中で拝観チケットのチェックポイントがある。拝観チケットには、1day、2days、3days、1weekと4種類売られていて、1dayが20ドル、2days、3daysが40ドル、1weekが60ドル、だ(ったと思う(汗))。2day以上だとパスに顔写真を張ることになる。このチケット、案外と記念品になりそうな気配である(笑) 我々は3daysを購入する。
 チェックポイントから、さらに車で参道を進むと、西の正面の門に出る。ここで初めてアンコールワットの偉容とご対面、ということになる。私の初対面の印象は「?」というものだった。周囲に観光客は恐ろしいほどの数いるし、こういう場所にお約束の物売りたち、そういったもの全部が醸し出す印象は、はっきり言ってしまうと平板なものだった。しかし、この印象は間違っていたということを、私は嫌というほど知ることになる。
 参道をゆるゆると進み、内部に入っていく。内部にも観光客はた〜くさん(笑) 自分たちもその一人なんだということを認識はしていても、やはり人混みがあるなし、では印象がまったく変わってしまうのも事実だろう。後述するが、この人混みを避ける方法もあるにはある。人混みを避けると、まったく違った印象になる。

  • 中を見る

 ガイドに案内されて、中を見る。階段の幅がせまく、かつ一段一段が高いので、階段の上り下りをするので案外疲れる。それにいかな日か遮られているとはいえ、ひといきれもあり、非常に暑い。こう暑いと高齢者の方には随分と大変なのではないかと余計な心配までしてしまう。
 ぱっと見たとき、あまり感動を覚えなかったのだが、中を見ているうちにコリャスゲエと思い始めてきた。壁のあちらこちらにはレリーフが彫りつけてあり、そのどれもが精巧で美しい。またいくつかの回廊の大きな壁には、かなり精巧なレリーフが彫りつけてある。このレリーフ一つ一つを解説していくことは、今の私にはできないが、実際にこれらを見ると圧倒されてしまう。遠近法という便利なだましの技法を持たない人々が平面を最大限に使って、神話や戦争を表現しているのを見ると、技法というのはあくまでも技法でしかなく、本質的には人の意志や思いがあれば、技法や形式というものはどうでもいいのではないかと思ったりもした。

  • 登ると案外怖いぞ

 アンコールワットは外の回廊から中の回廊へ行くたびに階段を上がることになるので、一番奥の中庭は一番高くなっている。ここまで上がるのだけでもちょっと大変である。細い階段をトカゲが壁にへばりつくような格好をして登っていかなければならない。
 登るのは下さえ見なければ(笑)どんな人でも時間をかければ、まあ登れると言えば登れる。登ってしまえば、景色もよいし、心地よいし、登ってみて初めてアンコールワットの巨大さがよく分かる。もし日本の管轄下にこの遺跡があったら、きっとあちらこちら柵だのロープだので全身安全のために武装させてしまうことだろう。勿論、今現在もアンコールワットに柵だのロープだのがないかというと、そういうわけではないが、それは観光客の「安全」というよりは遺跡の「保存・修復」というところに重きが置かれているのが潔い。
 それはともかく、登る分にはまだいいのだ。
 問題は下り、である。下りは大変なのだ。前述したように、階段が急であるからして、その階段を下っていくのは至難の業なのである。ただ、よくしたもので、一つだけ手すり付きの階段がある。ただ、最初の一歩を踏み出すときは、さすがの私でもけっこう怖かったから、高所恐怖症の人なんかは脚がすくむのではないだろうか。それくらいに下りるのは怖いのだ(笑)
 夕刻にかけて、アンコールワットはひときわ映える。西側から日が当たり、その日の光が、遠景であったとしても、建物の細かい造作をひときわ美しく照らし出す。これは素晴らしい。私たちは見ることができなかったが、まさに「赤富士」のように夕日で真っ赤に染まったアンコールワットを見ることもできるのだそうだ。
 夕刻になって、私たちは一行の人々とともに、夕日を見るためにプノン・バケンというところに移動。ここはちょっとした山になっていて(山というよりも丘に近いか)、頂上にこれもまた遺跡があって、そこから夕日をみるのがスタンダードなのだそうだ。
 例によって、ここも夕日を見ようとする観光客でた〜くさん。自分たちもその一人なのに、そんなのを棚に上げてぶつぶつ文句を言ってしまいそうな自分が嫌い(苦笑) それはそうと今ぐらいだと6時くらいに日が落ちる。日が落ちるまでの時間を大量の観光客に混じって堪能。そう言えばこの山、象で登ることもできるらしい。

  • 夕食は……

 そうこうするうちにホテルに帰ってくる。ホテルに帰ってきてからちょっと休んで、徒歩圏内なのをいいことに、「VICTORIA ANGKOR」まで晩ご飯を食べにに行くことにした。てくてくと市の中央を走っている「シヴォタ通り」を歩くこと15分くらいか。ヴィクトリア・アンコールに到着。「予約してないけど晩ご飯食べれる?」と聞くとあっさりOKだったので、「BISTROT DE SIEM REAP」へ。ここ、こてこての欧州料理を出すところで、それはそれで非常に良かった。サラダとガスパッチョとロッシーニ風ステーキで十二分に満足した。妻はメインにダックを食べていた。ロッシーニ風ステーキは量、お味ともに満足のいくできばえで、ダックも美味しかった。とはいえ、特筆すべきはガスパッチョ。暑くて身体が疲れていたせいもあるのか、えらく美味しく感じた。病みつきになりそうだった。
 車で送ってもらって、ホテルに到着。そのまま風呂に入って就寝。えらく疲れた日だった。
 まあ到着して本格的に活動し始めるときは、いつでもそうなんだろう(笑)