BearLog PART2

暇な中年の独り言です

名匠や裏方との思い出話に舌鼓をうちながら

棒ふりのカフェテラス

棒ふりのカフェテラス

 リヒテルカラヤン、武満等々と岩城先生との交流記。私がヴァイオリンを始めてから尊敬するようになったヤッシャ・ハイフェッツまで付き合いがあったとは。。。その記述によれば、ハイフェッツはオシャレだったとのことで、できる人ってやっぱりカッコも違うのねと思うことしきり、であります。
 山本直純との付き合いも、まるで北杜夫の「どくとるマンボウ青春期」みたいなかんじで、抱腹絶倒しながらも二人の友情にほろりとさせられてしまう(実はあとがきでも、狐狸庵先生とマンボウ先生との関係と、岩城、山本の関係を並べていたりするから、意外と意識していたのかもしれない)。
 岩城先生が、いかに濃密な時間を過ごしていたか、ということが如実に分かる。その濃密な時間に嫉妬するとともに、どのようにすれば自分もそんな濃密な時間を過ごす事が出来るのか、ということは自問自答せざるを得ないわけで、もっともっと諸々のことに励み修練せよ、とユーモアたっぷりに説教されているような気になってしまった。
 自分の人生の限りを考えると、もっともっと真面目に努力せんといかんなあ、という読後感である。
 もしも自分が幸運にも、本を出せる身分になったとしても、きっとこんなエッセイを書けるようにはならないだろうなあという寂しい自己認識をマイナスしたとしても、先人達の過ごした濃密な時間に舌鼓をうちつつ、美味しい酒でも飲む、という意味において、この本は非常に楽しい本なんであるwww
 何を言っているのか分からなくなってしまったけど。