- アーティスト: 民族音楽,バリ・バトゥール寺院の僧侶達
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 1999/08/06
- メディア: CD
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あまりに暑いせいか、生真面目に音楽を聴くのにちょっと疲れている。とはいえ、ヴァイオリンの練習は続けているけど(今週の日曜日にお盆明け久しぶりのレッスンがあるのだ)、何だか音楽を耳に入れる気がしなかったのだが。
この前行った家族旅行の余韻が残る中、こいつを試しに買ってみた。私のような門外漢が言うのも憚られるが、独特のスケールがあまりにも耳に心地よく、オフィスにいるときもこればかりヘッドホンで聴いて作業をしている。
民族音楽としては、完全にコマーシャルベースに乗った感のあるガムランであるが、それでもこういう祭式でかかるような荘厳な音を聴いていると、気持よさばかりでなく、不思議と身を清められるような気になるから不思議。昨年の今頃読んでいた中村雄二郎の「魔女ランダ考」では、バリが宗教的な儀礼や建築の配置等で、マクロコスモスとミクロコスモスをうまくつないでいるのだということを述べていたが、音楽についてもしかり。日常に密着しながら、それはマクロコスモスとの大いなるプロトコルになっていることが分かる。
何かニューエイジ系の「癒やし」みたいなのは、私は体質的には受け入れられないのだが、宗教的な端正なプロトコルによって、マクロコスモスとつながるとか、神と話そうとするような試みについては、比較的賛同できてしまう。それが実際に存在するかしないかではなく、そうしたプロトコルが、人間に人間らしさを与えているような気がするから。
人間が人間であるために、あらゆる儀礼は存在し、そしてそこに参加する意味がある。
何て思ったりもするが、基本的には心地よい音のゆらぎに身を任せている、というのが実態。
しかし、キモチいい。このままこの悪い夏に溶けてしまったら、どれだけ気持いいか。