BearLog PART2

暇な中年の独り言です

 ロオジエ

 飽食月間であることはここしばらくずっと言っていることなんだが、極めつけということで、ロオジエへ行ってきた。今日は少佐の誕生日ということもこれあり、何と言っても東京が誇るグランメゾンへ行こうと思ったわけである。
 またロオジエはちょうどフェアの最中で、パリのホテル・ムーリスのメインダイニングのシェフであるヤニック氏を招いていた。しかも初日(偶然なんだけどね)。後で聞いたんだが、ヤニック氏は既に二つ星をとっていて、三つ星に一番近い男らしい。
 で、フェア期間中ということもこれあり、ワインと料理のマリアージュで、選ぶ手間がかからないのもちょっとうれしかったりする。
 資生堂本店の脇のビルの堂々たる入り口を入るといきなりエレベーターに乗せられて(エレベーターはいきなりアールデコ調の古くさいモノ。パリの高級アパルトマンにありそうな雰囲気だ)二階へ上がる。一階で出迎えてくれた人が駆け足で螺旋階段を上って二階でも出迎えてくれるってのは演出なのか、たんに人手が足りないだけなのか、それはともかくとしてちょっと笑えて和んだ。先客がカップル一組いたんだが、明らかに銀座のママ。和服で貫禄たっぷりであった(笑)
 最初はポロネギのムースとキャビアにサーモンの薫製。サーモンはスイスのメーカーのものらしい。ギャルソン氏によれば、スイスは海に憧れてよい薫製を作るらしい(苦笑)。それはともかく、最初からイカされる。ポロネギも美味しいし。食器の底にたまってとれないキャビアを何とかして食おうと努力したが無理、諦めた。
 次が日本酒に合わせて、ウニのジュレとつぶ貝をお米のクリームで合わせたもの。海草のチップがついているのだが、何とメモを立てるような文房具にチップがついていくるのがご愛敬。ウニにワインではなく潔く日本酒ってのがいいセンスだ。これも美味しい。ひょっとしたら今日一だったかもしれない。
 次。ホタテのソテー。マロンのソースに白トリュフ。もう皿がきた瞬間から白トリュフのよい香りが鼻孔をくすぐる。合わせるワインは90年のドンペリ二オン。ホタテは四年物の巨大なやつだし、トリュフの香りがすばらしいし、なんと言っても、魚介類とマロンのソースを合わせるというのがよかった。こんなに合うモノだとは想像もつかなかった。
 次。エビ。オレンジの香りが素敵。合わせるワインは南アフリカリースリング。今日の中では一番普通の料理だったかもしれない。
 次。ヒラメ(フランス産らしい)のポワレ。フランス産らしく、超肉あつ。合わせるワインはオーストラリア産のシャルドネだ。しっかりと樽の香りが残っており、これも美味。
 次。鶏肉のフォアグラ詰め。これ鶏肉がしっとりしており、超おいしい。何と言ったらいいのか、もちもちでてみずみずしさを失わない。フォアグラもフレッシュで美味しい。合わせるワインは、何と、シャトーペトリュスの81年。81年はそんなに偉大な年ではないらしいのだが、それはともかくペトリュスはうまいの何のって。もっとスパイシーでこってりとした味なのかと思ったら、いやはやなんの、案外まるっとまとまったバランスのよい味で、タンニン苦手の少佐も舌鼓を打っていた。うまいうまい。
 あとチーズ。私はロックフォールミモレットですっかりご機嫌。少佐はフレッシュな山羊のチーズに軽めのブルーにウオッシュを一切れ。オマケなんだろうけれど99年のオーパスワンをつけてくれた。少佐はオーパスワンは好きではないらしいので、少佐の分までしっかり頂いた(笑) オーパスワン、お恥ずかしながらはじめて呑んだが、うまかった。好きではないとはいえ、「モンダヴィのシャトーでの呑むオーパスワンよりも美味しかった」とのこと(少佐談)。
 次。デザート二皿。リンゴのロティ、キャラメルのせたもの。その前にプチガトーで、グレープフルーツのシャーベットが出てきたのだが、これも口直しとしては最高。多分ローズのオイルをちょこっとかけてある(と聞いたような気がする)のが、よいアクセントになっている。
 次。レモンのジュレを中に入れたプラリネ。ジュレがきいていて、食感は思いのほか爽やか。最後にエスプレッソをダブルでのんで、さらにシングルで一杯、計トリプル(笑)でご機嫌。

 サービスから何からすばらしい。

 フェアでないときに、もう一回是非行ってみたい。大満足! 

#あとお土産にホテル・ムーリスの犬のぬいぐるみももらった。この犬は我が家のクマ軍団のパシリとして役だってくれるはずである。ま、犬よりもクマの方が動物としてはエライと思う。