BearLog PART2

暇な中年の独り言です

 歌舞伎鑑賞

 両親、妻、私の四人で歌舞伎鑑賞。昼の部だったので、朝9時過ぎに久我山で待ち合わせということもこれあり、断腸の思いで自転車練習をとりやめにした(笑)
 演目だが、仔細はwebを見ていただきたいが、
「鎌倉三代記 絹川村閑居の場」
信濃路紅葉鬼揃」
「水天宮利生深川 筆屋幸兵衛」
 の三つである。
 歌舞伎に対してほとんどなんの知識もない私がつべこべ言うのはなんなのだが、単純に面白かった。「鎌倉三代記」は、武士としての信条と肉親の情に引き裂かれ、時代に翻弄される人々を描き出し、「信濃道紅葉鬼揃」では玉三郎演じる妖艶な美女が鬼に変貌していく様を描き出し、「水天宮利生深川」は年の瀬のお約束、あくどい高利貸に翻弄されるも最後に温かい結末を迎え庶民の皮膚感覚を慰撫してくれる、そんなかんじの三つの演目であった。
 見ながら思っていたことは、舞台というのは記号の塊なんだなあということ。舞台装置とか役者の身振り等々、すべては何らかのアナロジーになっていて、その記号を認識することによって、観客はドラマツルギーを自分の脳内で作り上げていく作業なのだなあと思ったわけだ。当り前の話なんだと思うけれど、この記号化された限られた空間の中で、ドラマツルギーが生まれていく過程は見ていると本当に面白い。
 演劇は記号によって構造化され、その記号は言語によって人々の脳内で機能するようになっている。このプロセスはじっくりと考察してみたいもんだ、などと思いながら、親子の情に胸を打たれ、妖艶さに慄き、そして理不尽さに怒りを覚える。そしてカタルシスを得る。
 本当にそのプロセスの謎は面白い。
 観劇後、家族で銀座をぶらつき、デラックスな人生を目指すべく、年末ジャンボを購入した。デラックスにしたいものだ。
 本日の締めは、帝国ホテル「なだ万」で夕食から参加の弟も加えて忘年会というか夕食会。これもまた美味しく、大満足の週末となった。
 来年もいいことあるといいなあというか。いやいや、いいことあるに違いないと確信している。