- 作者: 玉井雪雄
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/01/30
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 133回
- この商品を含むブログ (40件) を見る
- 作者: 玉井雪雄
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/04/30
- メディア: コミック
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
久しぶりに漫画を買ってしまった(苦笑) ということで、「かもめチャンス」、何を隠そう自転車漫画である。ちなみに
話の内容を超簡単にご紹介すると、奥さんに逃げられ、一人娘を男手ひとつで育てている信金勤務の主人公が、ふとしたことからロードレーサーの世界にはまってしまい……というお話。
単行本はまだ2巻まで。面白いか面白くないかでいうと……微妙。
自転車漫画にはいくつかの制約があると思う。その制約は、自転車がまだマイナーなスポーツだから、「主人公がどうして自転車にはまってしまったのか?」というところを多少なりとも描かなければならない、というところ。これが最大の制約。また次の大きな制約として、ロードレーサーが人体に与えてくれる独特な「快感」をどう表現するのか、というところ。ママチャリもレーサーも同じ自転車と侮るなかれ。乗り味は雲泥の差。これ、体験した人しか分からないと思うのだが。
この独特の身体感覚を表現するのは、レーサーに何故はまったか?ということを正当化するのと同様、本当に難しいと思う。
一応、この「かもめチャンス」もその二点に対して、あくまでも正統派青年漫画の手法で立ち向かってはいるが、そこに新味があるとはあまり思えないし、そもそも「はまるきっかけ」のところが、あまりにリアリティがないのが最大の問題。
主人公を取り巻く女性2名のサービスカットもあり〜の、シングルファーザーの苦労もあり〜の、で八方美人的かつ玉虫色な内容は、逆にコアなファンを逃してしまいそう……と勝手に気をもむ。
細かいディティールについては、きちんと調べて描きこんでいるのだが、この作者、人物を書くとき、微妙にデッサンがずれている気がする。
個人的な趣味を言えば、松本大洋がスタイリッシュな自転車漫画を描いてくれたら本当にうれしいのだが。
一応舞台となる「乗鞍」の結果を知りたいから、3巻も買うかな……。