BearLog PART2

暇な中年の独り言です

 DCPRG

 夕方から外出して打合せ。大手町で待ち合わせてから結局適当なところがなくて、六本木ヒルズクラブへ。あ、誤解のないように。ヒルズクラブについては、私が入っているわけでなく、ミーティング相手の社長様(ま、友人と言えば友人なのだが)が入っているもので。仕事の話が終わってから、寿司を食って、8時半くらいに恵比寿で回遊していた少佐も加わって、なかなか楽しかった。結局奢ってもらってしまい、ほんと申し訳ないっす、スンマセン。ありがとうございました。
 それから、10時頃に六ヒルを出てタクシーにて恵比寿へ。恵比寿のMilkに何年かぶりで行く。というのも、Date course pentagon royal gardenのシークレットライブがあるという話をさる筋から聞きつけたためである。こんなところに来るのはもう何年ぶりだろうかってかんじである。しかし、若者は何を求めてかしらんが、やっぱりこういうところにくるのねと、おぢさんの私は思ったりした。しかし、何年ぶりだろう、こんなところに来るの。Milkって昔一回来たことがあったような気がするんだが……。ま、いいや。
 12時過ぎには出てくるだろうと思ってソファを立ってフロアに出てみると、何という名前だか知らんが、二人組のラッパー+DJで何かやっていた。このラッパーのライムがすごいわけです、ハイ。かなりヤバイんです。「愛」だの「信じる道」みたいなかなりヤバ系のバスワードをばりばりに織り込みながら、まあ拙い調子で説教するわけです。つらかった……。早くにフロアに行きすぎました(苦笑) 少佐は「長いこと来てなかったからクラブ感が鈍った」と言って後で大変に嘆いておりました。いやあ。今の若い人はああいうつらい音楽をやっているのね。おじさんとしては勉強になりましたぁ。
 結局DCPRGは25時半の登場。フードをかぶったままでパーカーのようなものを着用して御大菊地登場。1曲目はお約束の「Catch22」。このフリーフォームなかんじの曲、個人的には抽象的すぎてあまりグッとこないのだ。ただ菊地がバンドをしっかりコントロールしているのは何となく分かる。気心しれているのか、それともすごくしっかりリハしているのか、まあその両方なんだろう。
 二曲目はもうこれもお約束の「Play mate at Hanoi」。この曲も複雑なリズムをもった曲なんだが、フロアはかなり盛り上がっていた。まあDCPRG全体に言えることなのだが、ポリフォニックな複雑なリズムをそう感じさせないように聴かせるところが真骨頂。フロアでカラダを動かしている人々を見るとてんでばらばらのリズムで踊っていて、それはなかなかポストモダンなかんじがした。面白かったのだが、後ろの兄ちゃんがタバコ吸い始めたのにはちょっと閉口した。ま、禁煙じゃないから仕方ないんだけれども……。
 次は「Circle/Line〜Hard Core Peace」で、ここまでくればもうDCPRGお得意のところだ。各楽器が複雑なリズムを打ち出す中、そのリズムの快感に浸っていることができる。菊地も激しくカラダを動かしながらバンドをコントロールしている。彼の前には一応キーボードが置かれているが、あまり弾いていないように見えた(笑
 「Circle〜」で一挙に盛り上がった後で、そのまま「Hey Joe」になだれ込んだ。ジミヘンのこの哀愁溢れる曲もしっかりとしたファンクナンバーに置き換えられていた。リフが何度も繰り返され、興奮が高まっていく様は、なかなか感動的だ。ファンクというのは不思議なもので、同じリズムを繰り返し演奏することで人々の身体感覚に強い刺激を与えるだけのものなのだが、これが非常に心地よい。ま、ある種のリビドーなんだろうけれど。
 ここでバンドは一回引っ込むのだが、アンコールの声に促されてまたもやステージに戻ってくる。アンコールでは「Mirror Balls」「Stayn alive」。トータルすると多分2時間くらい。

 聴いていて思ったのは、DCPRGのリズムの複雑さによる快感と、あと楽器を弾くことに対する素直な喜び。特にフリーな「 Catch22」なんかの乱雑な中でも、一人一人のプレーヤーが楽しんで楽器を「弾いている」様子が強く伝わってきた。

 そう。結局、音楽も身体性の問題なのだ。この「カラダ」を抜きにしては何事も語ることはできない。そう考えると、DJなるものは音楽を奏でているわけではないような気がしてくる。あれはある種のインデックス? でもインデックスもある種の身体性を持っているとも言えなくもないし……。

 結論から言えば人間の身体性は常に変化しているってことなのか。

 それはともかく、よいライブだった。楽しみました!!!