どういうわけか、ビジネスの最前線をうまい具合に渡り歩いているような気がしている。
80年代バブルの後半で銀行に入り、その崩壊の過程を、それも一番崩壊の酷かった関西地区でその様子をつぶさに見てきた。もう人々の記憶の隅に追いやられているであろう料亭の女将事件についても、潰れてしまった信用金庫の担当をしていたこともこれあり、直撃弾をくらったといっても過言ではない(とはいえ、当時の私はペイペイだったので、責任もあまりなく、悩み苦しんだというわけでもないのだが)。
90年代半ばになって東京に戻ってきたわけだが、94年にFRBが急に利上げしたときは、ちょうど米債のトレーディング業務をしており、そこから続く長いベア相場をこれもまた間近に見てきた。見てきたというよりも、そのベア相場にひたすら振り回されてきた。
銀行を辞めてから、ITベンチャーに飛び込んで、第一次ネットバブルの生成から崩壊までを渦中で体験し、これについてはだいぶ痛い目にあった。
そして今も引き続き爆心地/最前線にいることは間違いない。
私のビジネスマンとしてのプライドが唯一あるとすれば、最前線を渡り歩いてきたということだけ。それなりに旬な体験をしているということだ。
どうせ死ぬなら、最前線がいい。