BearLog PART2

暇な中年の独り言です

 ファンタグレープ

 久しぶりに会社の自販機で購入して飲んでみた。
 合成甘味料だの香料だのの味があまりに懐かしい幼児体験を想起させてくれる。
 私の父親は、自分の趣味と生活を最大限に優先させるという昭和一桁生まれにありがちなわがままな男である。今となっては私とよく似ていることに我ながら驚くばかりなのだが(汗
 私が小学生の低学年の頃、週末になると、父親は私をボーリング場だのゴルフの打ちっぱなし練習場だのによく連れて行ってくれた。当時マイカーがなかったこともこれあり、自転車の後ろに乗せられて、父親と一緒に行くわけである。ボーリングのときでもゴルフのときでも、どちらのときもそうなんだけれども、父親は息子に英才教育を施そうと思ったことは一回もないらしいく、ずっと一人で練習し続けていた。
 子供だった私は、ファンタ一本と漫画を買い与えられて、父親がボーリングだのゴルフの練習だのをしている間、ただひたすら待ち続けることになる。

 ファンタの味はそのときの寂寥とした感覚を呼び起こす。その放置が私の人格を作っていると思うと今となってはそれなりに感慨深いものがある。

 ファンタは私とっては孤独の味なのだ(笑