BearLog PART2

暇な中年の独り言です

 怖い話

 いつもお世話になっているIRコンサルタントの方とミーティングをする。その方はここしばらくお休みをされていたのだが、何でお休みされていたのかということになるんだが、その理由は自転車の事故だそうだ。
 その方は、ここ4年ばかりトライアスロンをずっとやっていらっしゃる。バイクの練習をしていたときに、停車車両に全速力でぶつかってしまったのだと言う。まだ若干だが、お顔には傷が残っており、ぱっと見るとあまり気にはならないが、よく見るとちょっと痛々しいかんじがする。
 詳しい事故の状況を聞いたのだが、スピードを上げようと思って、エアロバーを掴んで(トライアスリートだからエアロバーがついているのだな)、強く踏み込んだとき、いつも停車車両がいないところなので大丈夫だと思って前方をよく確認しなかった、ところが運悪くその日に限って停車車両がいたそうなのだ。で、停車していた乗用車のリアガラスにもろに突っ込んだのだそうだ。速度にして時速35kmオーバーで突っ込んだそうで、そりゃあ堪らない。リアガラスは砕け、その方はリアシートに突っ込んだ。これがトラックとかだったら、ひょっとしたら死んでいたかも、とその方はこともなげに言う。ヘルメットがあったから頭は大丈夫でしたけど、第七頸椎は折れたままです。幸い神経には障っていないので……。でもバイクは止めません。その方は力強く言い切った。
 私はトライアスリートではないのだが、一応、同じバイク乗りとしては、説明を聞いてしまったら、事故の状況は分かりすぎるほと分かってしまう。しかもスローモーションで。
 自転車の加速の瞬間というのは、経験した者でなければ分からないと思うが、相当に気持ちがよい。明らかに脳内物質の何かが出ている。平地で加速する瞬間、それは車なんかとはまったく違った浮遊感を味わえる。これはもう最高である。下りだったら、50km、60kmなんて楽勝だ。
 しかしながら、身一つで高速で疾走する物体にまたがっているのだから、危険はつきもの。60kmも出していれば、浮き石に乗っただけで即落車、である。
 ただ、馬鹿なバイク乗りとして言わせて頂くと、そのリスクをおっていたとしても、バイクは楽しいし気持ちいい、ということなのだ。

 夜は友人連中と白金台で忘年会。コンサルタントと雑誌編集者。仕事の話をちょこちょこしながら、和食をつつく。友人の編集者が相当にいい気分になって、階段から落ちそうになっていた。ちょっと心配な酔い方ではあった。お〜い、だいじょぶっすか?
 白金台から目黒を経由して、渋谷から井の頭線に乗って帰ったのだが、目黒を通ったときは、久しぶりだったせいもこれあり、相当に感慨深かった。昔起業した会社が一時期目黒にあったのだ。毎日のように目黒駅で乗降していたことを思い出す。その思い出は思い返すと、ちょっと痛いけど、それなりに懐かしくなっている。時はやはり人間の感傷を産み、感情の高ぶりを醗酵させ、独特の味を作り出す。まあ、妻との出会った会社でもあるしな(笑

 それはともかく、「時」の経過を感じた一瞬だった。