- 作者: 浅田彰
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1999/07
- メディア: 文庫
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何をいまさらと言うなかれ(汗)
10年以上前に行われた浅田彰の対談集。10数年前とはいうものの、当時も今も問題は何一つ変わっていないということを再確認。サイードやジジェクとの対談は非常に面白いし、やや馴れ合いの雰囲気もなくはない、柄谷行人との対談も、自らの思考の甘さをチェックしてくれたという意味では、いい刺激を受けた。
とはいえ。
ファシリテーターとしての浅田彰の能力は非常に高い気がするが、それはあくまでもファシリテーターであって、思想家としての自我をもっと出して欲しかったと思うのは、私だけ?
歴史の終わりは今も続いている。ということを自戒の念もこめて、頭の片隅にとどめよう。「知」は自らをマージナルな立場へと追いやり、その緊張感の中で、見えざるものを見ることなんだと思う。語りえぬものの前で沈黙しながらも、その果てを思考するのが、思想や哲学なんだろう、って当たり前のことを当代きっての知識人同士の会話から、思い出すことになった。まだまだ自分は甘い。
とにかく、色々と考えるところが多かったので、それについての論考は別途まとめてみたい。いつになるかは分からないけど(苦笑)