BearLog PART2

暇な中年の独り言です

12月13日 景清

 午前中、ひとつミーティングに出席し、雑務をこなした後、午後休をもらって、国立能楽堂へ。囃子方科協議会の昼能を見に行くためだ。目当ては「景清」。一度観世流で見ているのだが、今回は我が喜多流の宗家預かり友枝昭世先生がシテを勤められるので一度は見て置かなければと思い、来たわけである。

 名人揃の中、非常に良かった。お囃子も地謡も引き締まり、親子の悲しみの深さを淡々と歌い上げていく。そしてシテも抑制された動きの中で抑制された分、過剰な感情が溢れ出るというか、抑制が過剰を生むというアクロバティックな様相を見せる。最小限の身振りで最大限のインパクトを起こすというお手本みたいなものだ。

 非常に面白かった。

 「景清」の余韻に浸りながら、夕方母校でスタートアップ界隈のOBやそれに関心のある学生、教員等が集まるというネットワーキングがあったので、性懲りもなく老体に鞭打って行ってきた。それなりに面白い人がいたわけで、それはまあよしとしよう。

 しかし考えてみれば、我が母校は大企業の中間管理職養成所だったわけで、自分は完全にバブル世代なので「商社か金融に入っとけばいいじゃん」的な今どきの若者たちが生真面目に自らのキャリアと向き合うといったこととは完全に無縁できているから、スタートアップに目を向ける等々、そういう意識の高さはあまりにも眩しすぎるような気がした。

 インターンいないかなと思って、学生さん何人かに思い切って話しかけてみたが、みんなそれなりにインターンしており、自分の会社が入り込む余地はなかった。そういうもんだろう。そのうちの一人は某VCに勤務しており、実務として投資をやっているという。ふーん。学生にそこまで任せている会社もあるのだな、とちょっと複雑な心境になる。

 それはともかく、色々な意味で勉強になった。

 精進精進(ちょっと無理ゲーっぽい感じもしなくはないが)。