BearLog PART2

暇な中年の独り言です

 立場

 昨日は夜遅のミーティングがあり、10時過ぎまでかかってしまった。前向きの話だからあまり気にならないのだが、遅くまでオフィスにステイするのは基本的には好きではない。その後、だらだら喋っていたら、いつの間にか11時半も遠に過ぎ、電車で帰れるぎりぎりの時間になっていたので、そそくさとオフィスを出た。
 最近、色々なところで利害の対立の現場に立ち会うことが多い。
 まあ、立場上仕方ないのだが、対立の場で心がけていることはただ一つである。
「自分自身の判断の基準を揺るがせないこと」
 トレーダーをやっていたときのこと。
 自分のポジションがやられてくると(損が嵩んでくると)、悪しきトレーダーはこう考える。
「このポジションはシナリオAに基づいてつくったものだが、現状は変わっていて、シナリオBになりそうな気配だ。シナリオBが現実化するのであれば、このポジションは損切らなくても大丈夫だ」
 これはダメダメなんである。
 シナリオAに基づいて作ったポジションは、シナリオAの破綻がはっきりした段階で、即損切りしなければならないのだ。シナリオAをシナリオBに乗り換えた段階で、既に負けは確定したも同然だ。
 立場が異なる者同士の交渉において、自分自身の価値基準を変えてしまうことは危険なのでは?という私自身の考え方は、上述のような教育をトレーダーのときに受けていたことに端を発しているわけである。
 価値基準を変えないとしても、変えないことによって交渉ごとが頓挫することもある。それはそれでブレイクするか、そうでなければ、自分自身が持つ価値基準よりも、さらに高みにたって俯瞰した価値基準に身を任せるしかない。
 ただ、現場においては、当初の価値基準をぶらぶらと変更すべきではないということは明らかだ。
 これは原理主義とは違う。
 なぜなら、現実を前提として、価値基準をぶらさずに臨機応変に対応するということと何ら矛盾しないからだ。原理主義とは、私の中では、現実を見ずに価値基準を金科玉条として無理を押し通すことを言う。

 言うのは簡単だけど、自分はそれなりに頑張っているとは思う。
 (誰もほめてくれないけどね)