BearLog PART2

暇な中年の独り言です

お手本ノート

 昨日、最初の職場からの永遠の先輩にちと相談事があるので夕食をご一緒させて頂いた。今回はその夕食の話ではない。

 二人でワインを2本空け、ごきげんで帰宅した。

 娘を私学に通わせてしまっているんで、平日は毎朝五時に起きるのだ。5時過ぎに起きて娘を起こしたところまでは良かったのだが、娘が階下に行ってしまってから、不覚にも二度寝してしまったのだ。

 階下で飛び交う妻と娘の罵声で、目が覚めた。

 あまりに不条理な状況に笑った。「ザムザくんが笑った」とはカフカは書いてないが、多分本当はザムザくんは笑ったのだ。クラムボンみたいに笑。

 閑話休題

 二度寝している間に、いつもならば私が面倒を見ている娘の勉強について、妻が見ていてくれたわけだだが、難航しているのは一目瞭然だった。ぎゃーぎゃー言う娘が、勉強を終わらせて学校に行ってから、妻には「いや、二度寝して申し訳なかったね」と謝った。

 彼女は謝る必要はないと言いつつ、娘の勉強の状況を、彼女の観点で分析し(彼女の観察眼は安定して鋭いということを付け加えておこう)、レポートしてくれた。

「要するにノートにきちんと式や筆算を書いてないから、できないのよ」

 正直に言おう。ちょっとカチンときた。

「うん。それは気付いているから、色々と自分なりに指導しているつもり。結果が出ていないのは百も承知だけどね」

 我が家の朝の娘の学習は私が付き合うことになっている。

 基本的には塾からもらっている教材をさらうことになっているのだ。毎日ルーティンとしてやるのは、算数の基本問題のドリル、理科の基本問題のドリル、漢字練習。それ以外は塾のスケジュールに合わせて、個別の教科をやる。

 私は朝のかなりの時間をかけて勉強を見ているわけだ。だからズバリと妻に「ノートに書けてないから、算数ができない!」と言われたときに「教えているアンタの出来が悪いのよ」というニュアンスを勝手に感じ取ってしまった、ということなのだ。

 カチンときたから、思わず反論したわけだ。「百も承知。ただ、言ってもなかなか実行できる子ではないから、褒めたり怒ったりしながら、様子を見ながら都度コントロールしてやっているよ。もし、俺の教え方で効果が出ないと言うならば、朝の勉強見るの変わってくれてもいいよ」

「いや、そう言っているんじゃなくて、私は状況を報告しただけよ」

 何となく険悪な雰囲気になった。

 我が夫婦は毎回こういう風にもめる。以前の私だったら「君はおれの教え方の批判をしているんだろ、おれの教え方が気に入らないだろ」と毒付いたところだが、そこはさすがに学習効果があって、そう言わずに、「何かいい方法があれば、教えてよ」と質問で返すことにした。

 これが奏功し、妻からは「あなたが計算や式をきちんと書いたお手本のノートを作って、そのノートと彼女のノートを比較するってのはどう?」という、素晴らしいアイデアが出てきた。

 素晴らしいアイデアだ。ただし、私の手間が増えることを除けば。

 手間はかかるが、実際に効果がありそうだと思い、即刻実行することにした。善は急げで、自分用のノートを一冊つくり、明日の基本問題の模範解答をそこに丁寧に書き込んだ。

 わけもなく達成感があった笑

 はてさて、このお手本ノートで娘の算数嫌いが改善するのだろうか?

 明日が楽しみ?な、父親なんである。