BearLog PART2

暇な中年の独り言です

 オヤヂ狩り

 「オヤヂ狩り」といっても私が遭遇したわけではない。被害にあったのは、私の友人である。
 その友人は学生の頃、ラグビーをやっていたせいもあり、見てくれからしてかなりゴツくて、オヤヂ狩りの対象にはなりそうもない男、である。そもそもが喧嘩っはやく、理不尽なことに対しては断固として抵抗するような、ある意味、ハードボイルドな男、である。勿論、腕っぷしも弱いわけがない。
 その友人が門前仲町で夜中、オヤヂ狩りに遭ったのだそうだ。これはビックリである。夜中の1時か2時頃、タクシーにでも乗ろうと思って、門前仲町を歩いていたとき、「おい!、オヤヂ!」と若造3人に呼び止められたそうだ。「オヤヂ」と呼び止められて、おいおい、「オヤヂ」と言われたけれど誰のことだい?と不思議に思って周囲を見回しても、自分しかない。自分のことだと気付いてから、「何かようかよ?」と若造三人組に返事をしたそうだ。

 するといきなり、刃物を見せられたそうだ。

 殴り合いだったら決して辞さないその男も、刃物をみた瞬間にポケットから財布を取り出して、中にあった札(3万円ちょっとだったらしい)を出して、路面に放り投げて、全速力で逃げ出した。勿論、若造は札を拾うのに必死で、友人はまんまと逃走に成功したわけなんであるが……。

 いきなり「刃物」となると、ちょっと寒気がする。彼によれば「価値観が変わった」とのこと。それに彼は最近子供ができており、つまらないことで若造に指されたりしたら、文字通り「犬死」になりかねない。命あってのナントヤラとはよく言ったモノである。

 ってな話をしながら、代々木上原の「ふく」という焼き鳥屋で酒飲んだ。彼の娘さん誕生記念であり、誕生日が近い我々の誕生日祝いであり、まあ、酒飲みはいくらでも理由をつけるものだ。

 しかしさ、我々も若くはないから、お互いオヤヂ狩りとか健康には気をつけようぜ。