BearLog PART2

暇な中年の独り言です

 頭のよい人と話をするのは面白い

「へへへ、頭のよい人と話をするのは面白い」というのは、確かドストエフスキイの「カラマーゾフの兄弟」で、イワンと話をする検事が言った台詞だったか、それともスメルジャコフか言った台詞だったか……どちらか忘れてしまったが、確かそんな台詞があったはず、である。
 ということで、まったく何も関係ないのであるが、昨晩は以前何人かと共同で創業したベンチャー会社で一緒に働いていた元同僚、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのベンチャー会社社長、CNETにもBlogを連載している、超売れっ子の友人とお食事をする。青山の天ぷら屋元吉というところ。初めてだったのだが、カウンター主体の小振りなお店で、なかなか美味しかった。カウンターって天ぷらでも寿司でも、何かいいかんじだ。おやじになっている私が言うのも何だが、「おとな」なかんじである。
 例によって話は多岐にわたり、会社は成長のフェーズに合わせて人をきちんと入れ替えていかないと、○○○○○みたいになっちゃうよね、とか、公開企業でいることのメリット・デメリット等々、まあ率直に、頭の動きが活発になるようなかんじで、会話が展開したから、本当に楽しかった。一番面白かったのは、彼が、「会社の中期的な有り様については、SFをすごく意識しています」というところには、かなり痺れた。例えばマイノリティ・レポートみたいな世界、この世界がいいのか、悪いのかはともかく、テクノロジーの有り様としては、ある意味、実現可能性のある社会だ。
 人間の想像力は常に現実化されてきた、という歴史の過程を考えれば、「中期的にはSFを意識する」という経営は、ものすごく正しい気がした。自分自身、この台詞ではっと目を開かされたようなかんじだ。世界の果てを見たい、と思っていたはずなのに、ちょっとその初志を忘れ気味だったということを深く恥じよう。
 それはともかく、転職祝いということで、奢ってもらってしまったので、この場を借りて厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
 帰宅したら、アジアカップで日本がサウジに負けて、ラスムッセンがステージ優勝を果たしていた。ライプハイマーコンタドールを置き去りにして、最後は岩のように冷徹な男が両手を高く上げてガッツポーズ。ヴィノクロフは残念だったが、それ以上に、このラスムッセンのステージ優勝、何だかぐっときた。

カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)

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