妻と久しぶりに贅沢をしてきた。というのも、「Pierre Gagnaire a Tokyo」へ行ってきたのである。Blogでシェフ本人が来日しているということを知り、そそくさと予約した次第である。
予約した時間まで少し間があったので、お近くのコムデギャルソンのお店を冷やかした。コムデギャルソンは、見ていると欲しくなってしまうのだが、妻に「身体つきが厚いから似合わなさそう」と言われた。もっと薄い身体の方が似合うのだそうだ。
まあ一理ある。
青山のクロエとカルテイエの間のビルの4階。エレベーターに乗って4階に着くと乗った方と反対側のドアが開くようになっている。思えば銀座のベージュもそうだったような気がする。写真で見るよりもずっとこぢんまりしている感じがした。エントランスにはガニエールシェフの顔がお出迎え、である。
インテリアは割とシックなかんじで、派手過ぎもせず、ちょうどいい塩梅である。テーブルはちょっと奥まったコンパートメントのような風になっていて、落ち着く。食前酒を勧められ、妻はミモザ、私はドライシェリーをオーダーする。メニューを見ながら、色々と悩みつつ料理を注文。色々と考えたのだが、私は6皿のコース、妻は、野菜の取り合わせの前菜(野菜をパイに包んで焼いたもの? それ以外にもいくつかお皿が付くのでちょっとした懐石コースみたいだ)、メインに仔羊をオーダーした。
(メニュー名は正確に覚えていないので適当です、すみません)
まずはアミューズ。ライ麦パンにタンドリー味が仄かの薫るマシュマロ、チップス、ハーブを入れたマジパン等々。
アミューズが出たくらいのところで、ガニエールシェフ自らご挨拶。いきなり「コンバンハ」と言われ、こっちも「ボンソワー」と返す。写真で見るのと違って、人なつっこい、ある意味かわいらしい笑顔、と言えば言える。気難しそうな気配はまったくない。これ、ちょっと意外だった。
私がオーダーした、6皿のコースは、次の通り。
- 牛肉で包んだアボガドにナッツ、そこにキュウリのソースをかけたもの。
- フォアグラ(紅芋ソース、底にツブ貝が入っている)
- 牡蠣(シャンパンソースで底にイカが……)
- 黒ムツ
- ロブスター(カブと西洋わさびのソース。お腹が一杯になってきたところであっさりソースで、いとも簡単にどんでん返し、で食欲盛り返しの巻、である)
- 仔牛(周りに鶏肉(つくねみたいなかんじだね)を巻いてあって、肉の旨味がぎゅっと凝縮されているかんじ。ソースは人参。この皿、画像の通りなのだが、とにかくキレイだった。ソムリエの人曰く「ガニエールシェフがいるときは、本当に盛り付けがキレイです。ま、いつももきれいなんですけどね……」とのこと)
- チーズ(白ワインのジュレがかかったモンドールだ。強い香りが素敵だ)
ワインは銘柄忘れてしまったのだが2000年のサンテミリオン産のものをチョイス。値段の割には美味しい。丁寧にデキャンタしてくれて、デキャンタがいいのだろう、あっと言う間にぱっと華開くかんじでほどよいバランスで、一本で最後まで行くにはよい選択だったような気がする。
そしてデザート。まずは口直しに、ベリーのチョコにクッキー、スミレのマシュマロ、アイスクリームとスポンジケーキ、が出る。
デザート本体はといえば、
- チーズケーキ(ベリーのコンポートが添えてあるというかコンポートにチーズケーキが添えてある、くらいなかんじ)
- 飴の蓋のついたカスタードとベリー
- 栗とピスタチオのクリームケーキ?みたいなもの(栗のチップつき)
- バナナチップをのせたマンゴー、皮ごと圧縮したみかんジュースのソースで
- チョコレート(ヘイゼルナッツのソースにマカデミアナッツ)
で、エスプレッソをダブルで頂く。
妻のデザートの方は、
全部食べれば、けっこうなボリューム、である。ただ「ぐげっ」というような重さはない。もたれ感なく食べさせてしまうところはさすが、というかんじである。
それぞれの皿について言えば、私たちでは考えつかないような食材を合わせているとはいうものの、きれいさっぱりと破綻なくまとめ、後味も爽快、重みを感じることもなく、というところは本当に素晴らしかった。素直に感動、である。
コートを受け取るとき、冷たいハーブティーが出てくる。この清涼感がなかなか、である。
モダンと洗練、というのはこういうことを言うのか、と思った。一昨年行った「ロオジエ」以来の大満足。またシェフ来日のときは、是非足を運びたいものである(^^